2014.9.4 デング熱について

雨が多く、すっきりしないお天気が続いていますね。

今日は、連日メディアに取り上げられていますデング熱についての情報です。

デング熱の発症が国内で相次いでいます。
9月に入り、大阪府内でも、海外渡航歴の無いものでの感染が数名確認されていますので
医師会からの情報も含め、提供させていただきます。


【1】推定感染地域
 大阪府内での感染確認者全員(9/1の報告)が、8月下旬に代々木公園を訪れ、蚊にさされています。
 彼らに海外渡航歴がないことから、当該地域での感染の可能性が高いと考えられます。

【2】デング熱について
 (1)概要
  ・蚊が媒介するウィルスによる疾患。中南米、アフリカ、アジアなど広範囲で流行。
  ・人が感染しても、発症する確率は10-15%で、症状は主に発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹。
  ・予後は比較的良好。まれに重症化することがある。
  ・人― 蚊 ―人 という経路で感染するため、人から人に直接感染することはない。

 (2)症状
  ・突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹など。
  ・潜伏期間(蚊にさされてから、症状が出るまでの期間)は2-15日。多くは3-5日。
  ・まれに重症化し、出血やショック症状を呈するデング出血熱やデング症候群に移行することがある。
 
 (3)治療
  ・特異的な治療法はなく、対症療法が主体。
  ・現段階で有効な抗ウィルス薬はない(ワクチンもない)。

 (4)予防法
  ・国内では、ヒトスジシマカが媒介する可能性が高い。
  ・蚊との接触を避け、刺されないようにすることが重要。

以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


厚労省のホームページに専用ページがありますので、詳細はこちらでご確認ください。
**厚労省デング熱**

なお、一部のワイドショーなどで、
血液検査で感染の有無がすぐに(その場で)わかる
というようなことがいわれていましたが、
現実には、一般の医療機関において、迅速診断できる箇所は非常に少ないと思われます。

検体(血液)は、公衆衛生研究所に搬入されてから検査が行われるのが一般的ですので、
確定診断には相応の時間(数日)必要とお考えいただいた方がよろしいかと思います。


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         夏休みに訪れたメナード青山リゾート内のハーブ園での写真です。
         ちょうど苗の植え替え時期で、お花はほとんど見られませんでしたが、
         ところどころ咲くお花の周りでは、ミツバチや蝶に沢山出会いました。
         次は、カモミールやラベンダーが満開の時期に行ってみたいです。

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by fujita_clinic | 2014-09-05 00:00 | 感染症